2019年7月19日(金)10時!
TBS系で放送スタートするドラマ「凪のお暇(いとま)」
原作の漫画を紹介しようしようと思いつつ、一年も過ぎてしまったことに驚愕しています…
(この漫画も、去年の夏、本の紹介100冊に収録してたんですよね…)
今、連載中の漫画のなかでは、私が一番注目しているかもしれない作品です。
「空気は読むものじゃなくて、吸うものだ」
主人公の凪(なぎ)ちゃんは、28才の都内OL。
真面目で、日々の節約を楽しむしっかり者。
だけど、周りに嫌われたくないあまり、自分を押し殺していつもニコニコ。
嫌なことも断れず「空気読んでこ」と心のなかで言い聞かせる日々。
地味で目立たないのか、周囲からは存在を軽く見られがちで
貧乏クジを引かされることも多く、会社での人間関係は「なんだかなあ」という状態。
そんな凪ちゃんのメンタルをかろうじて保っているのは、営業部のエース「慎二」と内緒で付き合っていること。
彼と結婚することで、周囲が自分を認め、今の立場から大逆転できることをぼんやりと望んでいる様子。
でも、ある日社内で聞いてしまった「慎二」の言葉にショックを受け、過呼吸で倒れてしまう。
会社を辞め、荷物をほとんど捨て、SNS・ケータイを手放し、アパートを引き払うことを決めた凪ちゃん。
都心の2LDKから、郊外の六畳一間のアパートへ、モノも人間関係も断捨離して、新たな生活をスタートさせます。
「単純に回復していく」お話ではない
引越先のアパートの、一見奇妙な隣人たちとの交流。
(ベランダでゴーヤがジャングルのように生い茂っている隣の部屋の男性「ゴンさん」を始め
自販機のおつりを漁ったり、パン屋さんでパンの耳をもらうおばあさん
訳ありそうな母娘の家庭、など)
そして、少しずつ広がっていく人間関係を通して、凪ちゃんがイキイキと自分を取り戻して行く様子が描かれているのですが
元カレ「慎二」がアパートを訪ねてきたり、お隣の「ゴンさん」といい仲になってきたり
単純に上昇していく話ではなく、浮いたり沈んだり、波のように揺れている展開のため、最後どういう着地点になるのかが、ひっじょーーーに気になってしまうのです。
「アフロ新聞記者」稲垣えみ子さんとの共通点
1巻表紙の凪ちゃんは、さらさらのストレートへア。
実はかなりのくせ毛で、本当はくるくるっとした綿あめのような髪型!
毎朝時間をかけて髪の毛をまっすぐに整える、涙ぐましい努力をしてたという…
周りから浮かないよう、本来の自分を隠し続けていたということが分かる象徴的な表現で、上手いなあと思います。
また「断捨離」「くるくるヘアー」というと、「アフロ新聞記者」で話題になった稲垣えみ子さんを彷彿とさせますよね。
震災をきっかけに、冷蔵庫や洗濯機といった家電を手放し「ミニマリスト」の生活を選んだ稲垣さん。
以前TVで拝見した六畳一間の暮らしぶりは、どこか不便を楽しんでいるようで、凪ちゃんというキャラクターのヒントのひとつにもなってるのかなあと感じます。
「これまで/これからの価値観」とどうやって向き合っていくか
そんな「凪のお暇(ひま、じゃなくて、いとま)」ですが、5巻まで発行されています。以下続刊!
元カレ「慎二」と元サヤに収まるのか、お隣の「ゴンさん」と新しい関係を作っていくのか…
恋愛という形ではあるのですが、二人の男性が主人公の「それまでの価値観」「これからの価値観」も象徴しているような印象なので
捨てた価値観に戻って行くのか、新たな道を進んで行くのか
という決断にも見えてしまって(ああでも、全然違う選び方も提案してくれるのかもしれない)
読んでいて、凪ちゃんが私たちの価値観を代わりに体現してくれているような期待をしてしまいます…
(「に、荷が重いっっっ!」って凪ちゃん言いそう(;^_^A )
ナニワともあれ、明日からのドラマがめっちゃ楽しみです!
原作者のコナリミサトさんが「慎二ヤバい!」とおっしゃってたのが、すんごい気になる…
多分、高橋一生さんの演技がヤバいんだろうと思うけど、私も高橋さんはどこかクレイジーな感じの役の方が断然好きなので、慎二の「目が怖い感じ」をどう表現されるのかドキドキ…
「きのう何食べた?」のドラマ化がすごく良かったので、ちょっとヒヤヒヤしてますが、明日は録画忘れないようにがんばります!
▼金曜ドラマ「凪のお暇」公式サイト
https://www.tbs.co.jp/NAGI_NO_OITOMA/
「凪のお暇」1〜5巻(2019年7月現在連載中)
コナリミサト/秋田書店・エレガンスイブ