月に1冊以上本を読もう2023:10月は自分の価値観・感受性の柱を力強く深く立てよう!

2023年10月の読書記録イラスト

本を切らさないようにしていたら…

去年は本を月に1冊も読んでいないという事実に気づき
「せめて1ヶ月に1冊以上は読みたい!」
と、自分のモチベーションを保つために始めた、2023年の読書記録。10月のまとめです。

この頃は、未読の本の山を切らさないようにしていたら、標高がどんどん高くなっていき、それを少しずつ順々に踏破していった時期でした。
しかも底をついてないのに次の本を買っていたという… 積読する人の気持ちが何となく分かってきました。

1冊目:家事か地獄か

1冊目は稲垣 えみ子さん「家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択(マガジンハウス) 」です。

稲垣えみ子さん「家事か地獄か」の感想

アフロヘアがトレードマーク、ミニマムな暮らしが印象的な稲垣えみ子さん。
以前は、キャリアウーマンとして忙しい生活を送っていたえみ子さんにとって、当時の家事は「永遠の敵」というべき存在。
だけど50歳で大企業を辞める決断をし、お金の問題にぶち当たったとき、救世主となったのはまさにその家事だったという!!

現代に溢れる、家電をはじめとした便利なモノ達…
時短になりますよ、楽になりますよと謳いながらも、人々の欲望を過剰に刺激し、その結果家事の量を大幅に増やす羽目になっている。
えみ子さんは、それらのモノを、欲望を本来の身の丈サイズに減らし、家事そのものを減らし、空いた時間を自由にコントロールすることで、お金があることとは別の豊かさを手に入れたそう。

その過程が丁寧に、かつユーモラスに語られているので、説教臭さは感じず。
実践されていることは、洗濯物はタライひとつで行う・トイレの掃除は素手で雑巾を使って行う等、じゃあやってみよっかな〜と気軽に真似はできないのですが笑
社会の当たり前を覆すような価値観に触れられるだけでもよかったと思います。

2冊目:センス・オブ・ワンダーを探して

2冊目は阿川 佐和子さん・福岡 伸一さん「センス・オブ・ワンダーを探して 生命のささやきに耳を澄ます (だいわ文庫) 」です。

福岡伸一さん・阿川佐和子さんの「センス・オブ・ワンダーを探して」の感想

生物学者の福岡伸一さんに、阿川佐和子さんが質問しながら会話していく形で書かれた1冊。

子ども時代に「すごい!綺麗!不思議!?どうして!?」と感じる機会を持つこと、すなわち「センス・オブ・ワンダー」が成長するきっかけになり、大人になってからも核としてその人を支えている、ということがレイチェル・カーソンの言葉を交えながら冒頭で語られます。

自然が創り出したデザインである「虫」に興味を持った子ども時代の福岡さん。
美しい標本を作るため蝶を殺すことに、自己矛盾を感じたそう。成長し、DNAというミクロの世界を研究するなかでも、生物の遺伝子を機械部品の一部のように扱うことに違和感を覚え、もっと多角的に全体的に物事を見渡すことが大事なのではと、
阿川さんとの会話のキャッチボールを通じて伝えています。

登場するキーワードもフェルメールにドリトル先生、村上春樹と、どことなく文系寄り。
阿川さんの会話力も高く、普段の生活レベルの分かりやすい例えを提示したり、素朴な疑問を投げかけたりと、難しくなりそうな分子生物学の理解を助ける流れを作ってくれます。

3冊目:中学生のためのテストの段取り講座

3冊目は坂口 恭平さん「中学生のためのテストの段取り講座(晶文社) 」です。

坂口恭平さんの「中学生のためのテストの段取り講座」の感想

私自身「時間の使い方があまり上手くないな…」という自覚があり、娘もテスト準備の仕方で悩んでいた様子だったので、親子二人して読みました。

この本では勉強の仕方ではなく、テスト勉強のスケジュールの組み方、つまり「段取り」について、フランクな語り口で伝えてくれます。

「なぜテスト勉強しなきゃいけないのか」
「大人になるってどういうこと?」
そんな中学生が感じる疑問にも応えていたりと、筆者の坂口さんは自殺を考える人のための電話相談もされているせいか、子どもの目線に寄り添った語り口が勉強の本としては新鮮。

かと思えば、ウクライナの戦争や、税金と国のことや将来の夢、自分で会社を作ることなど、学校では教えてくれないけど大事なことについても書かれていて、むしろこちらを子どもに読んでもらえたのはよかったかも!

そういう意味では、特にフリーランスや独立して会社を興すような大人にもおススメできる本です。

今月のまとめ

他人というか、社会の大多数の価値観や物差しが、必ずしも自分にとっては正しくないと感じることはままあること。

そしてその価値基準が、自分の骨の髄まで染み込んでしまっていることに気づくことがまず難しいし、更に実際に行動するなんて本当に難しい訳ですが、今月読んだ本の方々はそれでもやる!やった!という方たちばかりになりました。

価値観の違和感に気づくには「センス・オブ・ワンダーを探して」でも触れられていたように、多角的に・俯瞰で物事を捉えることが大事だし、継続して実行していく行動力も必要だなと。
(この「実行の継続」が何より難しいと感じていたところ、11月にはそれに大きく力を与えてくれる本に会えましたので、またご紹介しますね)

今月も徒然とした読書記録を読んでいただきありがとうございました!

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