自分軸の生き様を見た!
去年は本を月に1冊も読んでいないという事実に気づき
「せめて1ヶ月に1冊以上は読みたい!」
と、自分のモチベーションを保つために始めた、2023年の読書記録。6月のまとめです。
1冊目は、平安初期の僧の中では、おそらくかなり異端児だった「空海」の本。
2冊目は、30代後半を過ごしながらも、大人になりきれない自分を持ち続けている益田ミリさんのエッセイ。
どちらも世間とは違う自分を感じながらも、自分の軸を信じるまっすぐな姿勢がロックな2冊です。
1冊目:眠れないほど面白い空海の生涯
1冊目は由良弥生さんの「眠れないほど面白い空海の生涯 1200年前の巨人の日常が甦る!(王様文庫) 」
歴史の教科書でチラッと登場する「空海」。
よく知らないけど、偉いお坊さんだった?という程度の知識しかなく(お恥ずかしい限りです…)ずっしりとした本の重みに恐れおののききながらも、えいやっと読んでみました。
平安時代初期に「最澄」と並ぶ名僧として名高い「空海」の人生をフィクションも織り交ぜ、物語として描いた1冊。
空海は、当時の官僚の家系に生まれ、出世コースが約束されていたにもかかわらず、仏教に惹かれ出家。
遣唐使として中国へ渡り、密教の教えを学び帰国。
同じく遣唐使として学んだ最澄とライバルのように仏教界の勢力を二分していった姿は大河ドラマ、いや少年漫画を読んでいるような感覚で面白く読むことができました。
何しろ空海の口調の語尾が「…ッ!!」と、JOJOっぽい笑
史実や書物として残っている部分の隙間を埋めるように、想像で書かれている所も多くあるので、正確な空海像ではないんでしょうけど
人間らしく、女性に恋焦がれたり、いけすかないと思う人には腹を立てたり、そうかと思えば「まあいっか、本でも書こ!」と精力的に著作に励む前向きでクリエイティブな人物として描かれている所に面白さを感じました。
空海の出自と、当時の天皇家・藤原一族の関係+出来事を説明している冒頭の情報量が濃厚で、最初挫けそうになりましたが
人間関係図や親しみやすいイラストも添えられているため、読み進めればぐいぐいと引き込まれる1冊です。
2冊目:前進する日もしない日も
2冊目は益田ミリさんの「前進する日もしない日も (幻冬舎文庫) 」です。
ミリさんの旅行エッセイが面白かったので、今度は日常エッセイを読んでみました。
▼こちらは益田ミリさんの「47都道府県女ひとりで行ってみよう (幻冬舎文庫) 」の感想記事です。
時間的・金銭的に自由度が高い「40代前の女性、独身のフリーランス」という属性であるミリさん。
憤慨したり、思い通りにならない出来事に向き合いつつ日常を過ごしている30代後半当時の心の内が綴られています。
子どもだった自分をそのまま抱え大人になったようなミリさんは、通りすがりの子どもや若者にも、深く思いを馳せるような描写があります。
穏やかでゆるいイラストのタッチとは裏腹に、成熟していくことへの反抗心のようなロックなマインドが根本にあるんだろうなと感じさせられ、そこに大いに共感してしまう私なのでした。
「いい大人なんだから、うまくやっていこうよ〜」と思う自分と
「いい大人って何だよ、変わってたまるもんかよ!」なんて思ってる自分と。
どっちも自分の中にあって、どっちも否定しないところが、ミリさんの創作の奥にあるものなのかなと想像させられます。
今月のまとめ
1冊目の空海さんの本が文庫にしては分厚くて、5月に読み始めていたのですが、読み終わったのは月を跨いで6月。
歴史もので登場人物が多いと、何度も前のページに戻ったり、人物関係図を見直したりして時間がかかるんですよね。
その分、読了したときの達成感もひとしおでした。
ミリさんの本は、空海さんと同時並行で読み進めていて「あ〜今日は疲れてるから、ミリさんで!」という感じで、1日の最後の疲労度によってどちらを読むか決めていました。
こんな風にその時の気分に合わせて選べるよう、複数の本を用意しておくと、読書習慣が途切れなくて良いなと感じています。
そして、こうやって改めて感想を書きまとめると気付くのは、自分の感動ポイントがやはりどの本でも似通っていること。
自分の価値観をあぶり出すにも、本を読むこと、誰かの作品に触れることというのは大事なんですね。いやはや、改めて意識させられることばかりです。